日本の大企業の人事として10年以上働いた実体験を活かし、当ブログでキャリアのあれこれを発信しています。
4月に会社に就職して毎日一生懸命働いてるよ。でも、周りを見ているとイキイキと働いている人もいれば、そうではない人もいて・・・。なんでなんだろう?
その気持ちはすごくよくわかるよ。いわゆる「働かないおじさん(妖精さん)問題」だよね。この記事では、そういった「働かないおじさん」がなぜ生まれるのかを解説していくよ。
新入社員や若手の方の中には、あまり仕事をしていないように見える、いわゆる「働かないおじさん(妖精さん)」の存在に気づいた方もいるかもしれません。
この記事では、新入社員や若手の方に向けて、なぜ会社で「働かないおじさん」が生まれるのか、その理由を解説していきます。また、将来自分がそうならないために、若手のうちからやっておくべき4つのことについても解説します。
下記に当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.なぜ働かないのか、その理由
どんな会社でも、明らかに給料に見合った仕事をしていない、いわゆる「働かないおじさん」がいるのではないでしょうか。会社によっては、「妖精さん」という言い方をしている会社もあるようです。
完全成果主義で”Up or Out”の文化の外資系企業などではそういった方は淘汰されていくのですが、終身雇用の根強い日本の大企業においては部署に一人ぐらいはそういった方を見かけるのではないかと思います。
彼らは、なぜ「働かない」のでしょうか?
その理由は、「十分な仕事が与えられていないから」です。
「働かないおじさん」には仕事が与えられていない
前述の通り、働かない理由は「十分な仕事が与えられていないから」です。そのため、正しい問いの立て方は「なぜ働かないのか」ではなく、「なぜ十分な仕事が与えられないのか」ということになります。
ここで、仕事を与える側である上司(マネージャー)の仕事を考えてみます。上司の仕事は大きく2つで、「① 部下を使って短期的な成果を上げること 」と「② 将来の種蒔きの為に部下を育成すること」です。また、仕事を与えた以上、仕事の進捗を確認し必要であれば支援を与えフィードバック・評価をするというプロセスを回す必要があります。
少し想像すれば分かる通り、これらのプロセスには非常に労力がかかります。また、育成の王道は”実力少し上”の仕事を与えて育成のサイクルを回すということなのですが、上司の立場からすればこれは非常に勇気のいることです。上司の意図が伝わっておらずおかしな方向に仕事を進めてしまい 、後からチームメンバーで巻き返しをするということも往往にして起こります。
これらを考え合わせると、「その人にかける労力よりも得られる成果や育成結果が明らかに小さい」時、上司は実力以下の仕事しか与えなくなります。この人にお願いすると変な方向に進めてしまって後で巻き返しに時間がかかるからな・・・みたいなケースです。
つまり、「働かないおじさん」は、「上司がその人にかける労力よりも小さい成果や育成結果しか返すことができなかった」ことが繰り返された結果、上司としても「この人に仕事を付与することはやめよう」となってしまい、十分な仕事が与えられなくなってしまったのです。
2.働かないおじさんにならないためにやるべき4つのこと
「働かないおじさん問題」は終身雇用や年功序列を前提とした日本企業特有の現象です。働かないおじさんが生まれる仕組みがわかったところで、「ムカつくものはムカつく」というのが正直なところだと思います。
また、働かないおじさんが生まれるような会社で働いていること自体に不安を感じる人も多いと思います。ここでは、そんな働かないおじさんにむかついた時に、「自分のキャリアを守るために」やっておくべき3つのことを解説します。
① 自分の市場価値を知っておく
将来的に転職するにしてもしないにしても、自分の市場価値を知っておくのはマストです。働かないおじさんが生まれるような会社にいると、市場価値を高く見積り過ぎてしまうことがあります。
いざ転職しようとしたときに年収ダウンの求人しかない・・・ということにならないために、無料アプリでいいので市場価値は測っておきましょう。
個人的にはVIEWという無料アプリがおすすめです。3分程度の簡単なアンケートを入力すると、自分の価値観に沿ったキャリアシナリオをAIが解析して提案してくれます。
② 転職エージェントに登録しておく
こちらも、転職するにしてもしないにしても、新入社員として会社に入社した時から転職エージェントには登録しておくのがおすすめです。
私自身、入社1年目から転職エージェントに登録していましたが、「自分の経験値だとどんな求人があるのか」を知れたり、「無料のキャリア相談で頭の中が整理」されたり、非常に有益でした。私は結果的にそれが転職につながりましたが、「もしいい求人がいいタイミングであれば転職も考える可能性がある」ぐらいの気持ちで全く問題ありません。
個人的にお勧めするのは以下の転職エージェントです。
若手の転職におすすめの転職エージェント
① 成果主義の企業のみ紹介する人材エージェント【識学キャリア】
② 20代のための就職・転職支援【えーかおキャリア】
③ 自分のキャリア観や価値観を明確にしておく
今の会社に不満があって転職を考える人が最初に当たる壁が「自分のキャリアの軸がないこと」です。特に大企業に長年勤めていると「会社のために働く」という意識が強くなり、なぜ今の仕事をしているのかを自分軸で答えられない人が非常に多くなります。
いざ転職を考えたときにそうならないよう、若手のうちから自分のキャリア感やキャリアの軸を整理し、明確にしておくことを強くおすすめします。
個人的には、初回無料でキャリア相談ができる「マジキャリ」がおすすめです。初回相談の申し込みは1分程度で完了します。
長年一つの会社で働いていると、会社のためや上司のために働く、という意識が強くなってきます。もちろん他人に認めてもらうことは素晴らしいことです。しかし、ここには「他人に認められるために自分の価値観の軸をずらさなければいけない」危険性も孕んでいると感じます。
仕事内容が「自分軸」でも納得感のある仕事であればいいのですが、やもすると会社からアサインされる仕事や、会社が理想とするキャリアに、自分の価値観を合わせにいくような形になってしまう恐れがあります。
この「自分軸」で納得感のある仕事をするために必要なことが「自分のキャリア観や価値観を把握していること」です。自分にはどんな強みがあり、人生やキャリアをどのような価値観を持って過ごすのか。これは一人で考えていてもなかなか明確にするのは難しいものです。
このマジキャリというサービスをうまく活用して、自身のキャリア観や価値観を早めに明確にしておきましょう。
④「いい仕事」をもらい続ける
イキイキと働いている人は「いい仕事」をもらっています。「いい仕事」の定義は「自身の成長につながる、自分の実力でギリギリ達成できる仕事」です。
自分の実力を少し超えているけれど、頑張ればなんとか達成できるような、適度にストレッチした仕事に周りのサポートを得ながら取り組んでいる時、その人はイキイキと輝いて見えると思います。また、そうした仕事を通じて成長し続けると、ベテランになってもイキイキと働けるのだと思います。
いい仕事をもらうのにはどうすればいいのか
では、「いい仕事」をアサインしてもらうにはどうすればいいのでしょうか。
上司目線で考えると、部下に実力を超えた仕事をアサインするのは怖い、というのが本音だと思います。それでも思い切ってその仕事をアサインするためには、「彼/彼女なら困難があってもやりきってくれるだろう」という信頼が必要です。
ではその信頼を得るためにはどうすればいいのか。
そのためには、アサインをされた仕事一つ一つに対して期待を超える結果を返し続けることが重要です。それが、「前回も難しい仕事をなんとかやりきってくれたから、今回も頑張ってくれるだろう」という信頼につながり、”いい仕事”を貰い続けることができるのです。
新入社員として最初に与えられた仕事から、上司の期待を超える結果を返し続ける。例えそれが「飲み会の幹事」だとしても、場を盛り上げるための趣向を凝らしたり、段取りを十分に踏んでアレンジをしたり。上司や周囲に「彼/彼女は一つひとつの仕事に熱意を持って取り組んで、期待を超える成果を返してくれるだろう」という印象を与え続ける必要があるのです。
飲み会の幹事の仕事も、新入社員にとっては難易度が高いことは上司もわかっています。その仕事を終えれば少し信頼を得て、もう少し難しい仕事をもらえます。そしてそれもやりきれば、さらに難しい仕事・・・、といいサイクルに入っていけます。
こいつにやらせてみようと思わせる若手
新入社員として職場に配属されて最初に与えられた仕事はなんだったでしょうか。簡単な書類の作成でしょうか?懇親会の幹事でしょうか?
その仕事一つひとつへの取り組み姿勢を上司は見ています。あなたが上司だったとして、嫌な顔をして70点の仕事をする若手と、やる気満々で120%の力で想像以上の成果を出す若手、次の仕事はどちらに与えたくなるでしょうか?
特に懇親会の幹事の仕事などは「めんどくさい」と感じて70点の仕事をしてしまいがちです。しかし、そうした仕事こそ「彼/彼女は一つ一つの仕事をしっかりやってくれるな」「スケジューリング力、段取り力、企画力などがしっかりしているな」と思ってもらえるチャンスでもあるのです。
まずは与えられた仕事を120%の力でやりきること。それこそが実力以上の仕事をもらい続けて、いい育成のサイクルに入り、輝くおじさんになるための第一歩になるのです。
3.まとめ
この記事では、新入社員や若手の方に向けて、なぜムカつく「働かないおじさん」が生まれるのかと、そうならないために若手のうちからやっておくべきことを解説しました。
「働かないおじさん」は、「上司がその人にかける労力よりも小さい成果や育成結果しか返すことができなかった」ことが繰り返された結果、上司としても「この人に仕事を付与することはやめよう」となってしまい、十分な仕事が与えられなくなってしまったのです。
将来そうならないためには、まずは与えられた仕事を120%の力でやりきること。それを繰り返して実力以上の仕事をもらい続け、いい育成のサイクルに入ること。そして、自身のキャリア観を明確にし、キャリア自覚的に築くこと。それこそが輝くベテランになるための第一歩になります。
みなさんが目の前の仕事を精一杯やりきり、将来も輝くベテランになれることを祈っています。
目の前の仕事を120%やり切ることが、将来輝くベテランになることにつながっていくんだよ。
以上、K でした!
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