こんにちは、K です。
日本の大企業で人事として10年以上働いた実体験を活かし、当ブログの管理人としてキャリアのあれこれを発信しています。
将来的に育児と仕事を両立するためにも、子育て支援制度の充実した会社で働きたいんだけど、どんな会社に就職するのがいいんだろう・・・。
その気持ちはよくわかるよ。外からではなかなかわからない子育て支援制度の充実度合いや活用度合いについて、見極める方法を解説するね。
転職活動や就職活動をしている方の中には、「育児と仕事の両立制度(子育て支援制度)が充実している会社で働きたい」という思いを持ってらっしゃる方もおられると思います。
そういった方は、事前にその会社の制度についてよく確認した上で、転職/就職するのがオススメです。ただし、両立支援制度があっても、風土的に制度を使いにくく、実際の制度利用率は低くなっている会社も存在します。
そこでこの記事では、「子育て支援制度の概要」と「子育て支援制度が活用されている企業の見極め方」について丁寧に解説していきます。
下記に当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読んでいただくと、「企業の子育て支援制度の概要」が理解でき、「子育て支援制度を利用しやすい企業を見極められる」ようになります。
子育て支援制度の概要
育児との両立支援制度には大きく分けて2種類あります。
まずはこの2種類を理解するところから始めましょう。
なるほど。法律で定められた制度に加えて、企業独自の制度を整備している会社もあるんだね。
そうなんだ。会社によって、法律で定められた制度の利用可能期間を独自に延長していたり、独自の制度を作っている会社もあるんだよ。
法定の子育て支援制度
言葉の通り、法律で定められた子育て支援制度のことです。ここでいう法律とは、育児・介護休業法のこと。育児・介護休業法には、すべての会社で最低限設置しなければいけない両立支援制度が定められています。
各制度について詳しく知りたい方は、こちらの厚生労働省の動画にまとまっているので、参考にしていただければと思います。ここでは、主要な2つの制度の概要をご紹介します。
育児休業
子が1歳に達するまでの間、男女関係なく、2回まで分割して取得が可能な休業制度のこと
子の看護休暇
子が小学校就学まで間、子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日を限度として取得できる休暇制度のこと。
この他にも、「所定外労働の制限」や「深夜業の制限」といった制度が法律で定められています。
思ったよりもいろんな両立支援制度が法律で定められているんだね。
そうだね。
こうした法律で定められた制度については、後で述べる「企業の風土的に取得できるかどうか」が大事になってくるね。
企業独自の子育て支援制度
法律で定められた制度に加えて、各企業が独自に定めている子育て支援制度になります。
この独自の子育て支援制度については、ベンチャー企業や中小規模の会社で特徴的な両立支援制度を整備している会社もありますし、過去から労働組合とも議論をしながら徐々に制度を整備してきている大企業では、全般的に充実した制度を持っている印象があります。
企業によって取り組みはさまざまですが、ここでは企業独自の両立支援制度を企業HPでもアピールしていた2社を紹介します。
資生堂
※ 資生堂 子育て中の社員へのサポートを参考に記載
資生堂の場合、育児休業や育児時間制度の取得可能期間を伸ばしたり、男性の育休取得促進を目的に有休で短期育児休業を取得できるような施策をおこなっています。
育児休業を3歳まで取得できるのはすごくありがたいね。
そうだね。2歳まで取得可能な企業はよく聞くけど、3歳までというのはかなり珍しいと思うよ。
両立支援に対する企業の思いが感じられるね。
ソフトバンク
※ ソフトバンク 少子化問題への取り組みを参考に記載
ソフトバンクの場合、出産祝金制度や、不妊治療のための休暇制度などを独自の施策としておこなっています。また、両立支援制度を「少子化問題への取り組み」として捉えていることから、子沢山の社員に非常に手厚い出産祝金制度となっています。
第3子以降の出産祝金がすごく高額だね。
そうだね。これだけの額をもらえるとなると、安心して子供をつくろうとおも思えるね。実際に第3子以降の祝金を1年で80人に支給したみたいだよ。
子育て支援制度を利用しやすい企業の見極め方
いくら制度が充実していたとしても、会社の風土的に利用がしにくければ意味がありません。ここからは、両立支援制度を利用しやすい企業を見極め方を解説します。
両立支援制度を利用しやすい企業を見極め方には、大きく分けて2種類あります。
社員に確認するのは分かりやすいけど、「投資家向けの公開情報」ってなんのことだろう?
あまり知られていないけど、投資家向けの情報の中に育児休業の取得実績などが公開されていることが多いんだよ。情報の見つけ方も解説するね。
社員に確認する方法
まずは、社員に確認する方法です。
社員に確認する場合、気をつけるべき点が2つあります。
まず1点目は、「実際に両立支援制度を使ったことがある人に確認する」です。
実際に長期の育児休業などを取得した人でないと、上司や同僚からの目線や職場の雰囲気など、なんとも言い難い取得のしづらさはわからないものです。取得をしたことのない社員の「周りから見た印象」も参考にはなりますが、できれば実際に取得したことがある社員に確認しましょう。
2点目は「自分と同じ性別で、かつ希望している職種の社員に確認する」です。
同じ会社であっても、職種や部署によって風土が異なることがあります。また、女性に対しては寛容であっても男性の育児休業等には抵抗感のある会社もあり得ます。そのため、可能であれば「自分と同じ性別で、かつ希望している職種の社員に確認する」のがおすすめです。
企業の公開情報で確認する方法
続いて、「企業の公開情報で確認する方法」です。
企業の公開情報で確認をする場合、就活や転職活動をしている方にとって一般的なのは、採用HPに掲載されている情報を確認することだと思います。
しかし、採用HPに掲載されている情報は企業が自信を持って掲載できる情報に限定されていることが多く、本当に知りたい情報が載っているとは限りません。
採用HPで十分な情報が得られないと感じた場合は、「投資家向け情報」を確認するのがおすすめです。
採用HPで十分な情報が得られない場合は「投資家向け情報」を確認するのがおすすめだよ。
投資家向け情報で両立支援関係の情報を確認する場合、以下のステップで進めます。
ここでは、上で挙げたソフトバンクを例に、投資家向け情報のどこを見ればいいのかを解説します。
ソフトバンクの投資家向け情報
STEP1:企業の公式企業HPにアクセスする
Google で、「ソフトバンク」と検索すると、トップに企業HPが出てきます。
(https://www.softbank.jp/)
STEP2:企業HPの中の「投資家情報」にアクセスする
ソフトバンクの場合、企業HPの最下部に、投資家情報のリンクがありました。
STEP3:投資家情報内の、「サステナビリティレポート」などを確認する
ソフトバンクの場合、分かりやすい位置に「サステナビリティレポート」が掲載されていましたので、こちらにアクセスします。
STEP4:サステナビリティレポート内の「人材に関するデータ」を確認する
ソフトバンクの場合、データ関連は「ESGデータブック」という名前で別資料になっていますので、こちらを確認することにします。
すると、以下のようなデータを確認することができます。
ソフトバンクのデータで注目したいのは、男性の育児休職取得率です。
2018年までは14.2%だったものが、2022年には40%近くまで上がっています。
恐らく、世の中の男性育休促進の流れを受けて、社内で男性育休の取得が促進されているのだろうと思います。
一方で、男性の「育休取得期間」については掲載されていないことは少し気になります。育児休職は1日でも取得できますので、実際に育児休職を取得した男性が、どれぐらいの期間を取得しているのかは聞いてみたいところです。
また、年次有給休暇の取得率は70%となっています。非常に高いわけではないですが、それなりに年休は取れそうだと分かります。さらに、平均残業時間が27時間ですので、そこまで残業が多すぎるわけでもなさそうです。
このデータだけで全てがわかるわけではないけれど、OB訪問などで情報収集すべきポイントを明確にするのに役立ちそうだね。
そうだね。
他の会社のデータと比較することでその会社の特徴を掴むこともできると思うよ。
企業によって掲載されているデータは違いますが、このような形で働きやすさや両立支援施策の取得のしやすさについて、情報を得ることができます。
まとめ:育児と仕事の両立制度が整った会社を見極めよう
今回は「子育て支援制度の概要」と「子育て支援制度を利用しやすい企業の見極め方」について解説しました。
まず前提として、育児との両立支援制度には大きく分けて2種類あります。
このうちの「企業独自の子育て支援制度」については、ベンチャー企業や中小規模の会社で特徴的な両立支援制度を整備している会社もありますし、過去から労働組合とも議論をしながら徐々に制度を整備してきている大企業では全般的に制度が充実していることも多い印象があります。
ただし、いくら制度が充実していたとしても、会社の風土的に利用がしにくければ意味がありませんので、両立支援制度を利用しやすい企業を見極める必要があります。
子育て支援制度を利用しやすい企業を見極め方には、大きく分けて2種類あります。
「育児と仕事の両立制度が整っている会社で働きたい」という思いを持っていらっしゃる方は、今回お伝えした内容を参考にしていただきながら、就職活動を進めていただければと思います。
これからの時代、両立支援制度を活用することは男女関係なく大事だよ。
是非この記事を参考に就職活動を進めてみてね。
以上、K でした!
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