こんにちは、K です。
誰もが知っている日本の大企業で人事として10年以上働いた実体験を活かし、当ブログの管理人としてキャリアのあれこれを発信しています。
毎日上司と接しているけれど、上司ってどんなことを考えているんだろう?
日々のマネジメントで考えていることを知りたいな。
毎日接している上司だけど、いまいち上司の仕事ってわからないものだよね。
この記事では、上司の仕事である「マネジメントの2W2R」について解説するね。
新入社員や若手の方の中には、上司の仕事である「マネジメント」に興味を持ったことがある人もいると思います。また、将来的に管理職になりたいと思っていたり、後輩社員を指導するスキルを身につけたいと思っている方もいると思います。
この記事では、そのような方に向けて、マネジメントの基本である「2W2R」について丁寧に解説していきます。この2W2Rという概念は「マネジメントの根幹」とも言える考え方ですが、パッと聞いただけでは理解がしにくい概念でもあります。ご興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
なお、以下内容はこちらの本を参考にしていますので、ご興味がある方は読んでみてください。
2W2Rとは
2W2Rとは、部下を指導・育成するのに必要な4つの要素の頭文字を取ったものです。
以下では、それぞれの要素について解説していきます。
① What:何を
いつもの上司の指示は「What」の形で出されます。
以下のような上司の指示は全てWhat(何を)だと言えます。
「今月は契約を10件取ろう」
「全社の経費を5%減らそう」
「新製品を来月中に設計してくれ」
Whatを指示しない上司はいませんので、Whatはイメージがしやすいと思います。
What(何を)はいつもの上司の指示のこと。それ以外の3つの要素を意識することが大切だよ。
部下指導にあたっては、What に加え、相手の実力に応じて、残り3つの要素を組み合わせながら指導・育成をする必要があります。
② Way(どういう考え方で)
Wayは「どういう考え方で」という意味です。
特に新人の頃は、上司から指示を受けたけれど何から手をつけていいか分からないという経験を誰もがしたことがあると思います。
これは上司からの指示にWayがないことが原因。特に特に新人の頃は、「どう動いていいか」が分からないことも多いため、具体的な動き方であるWayを上司が指示してあげなければいけません。
例えば、以下のイメージです。
今月は契約を10件取ろう(What)
わかりました!(でも、何から手をつければいいんだろう・・・)
そのために既存のお客様に電話をして関係会社にニーズがないか聞いてみよう。既存のお客様はうちの製品の良さを分かって下さっているからいい紹介を頂けるかもしれない。(Way)
ここで注意が必要なのは、WayのつもりでWhatを重ねてしまうケースが多いことです。先ほどのケースで言うと、契約を10件取るために「電話を1日50件かけよう」「20件飛び込み営業をしよう」などは全てWhatです。Whatを重ねた場合、その場では部下はわかった気になっても、そのWhatを終えた後にまた何に手をつけていいか分からなくなってしまいます。
Whatを解決するために「どういう考え方でどうやるか」を指示するのがWayなのです。
③ Reason(背景)
What+Way で仕事に慣れてくると、次に指導すべきなのがReasonです。
Reasonは指示の「背景・理由」のことです。
新人の頃は支持されたWhatを実行することで精一杯な部下でも、仕事に慣れてくると「なぜこのWhatを実行しなければいけないのか」が知りたくなってきます。また、Reason(背景・理由)を知ることで「そういう背景ならもっとこういうやり方がある」「こんな情報もセットで上司に報告しよう」と、自ら考え工夫を始めるきっかけにもなります。
指示の背景(Reason)が理解できると、指示されたWay以外の方法を試してみたり、指示されたWhatを超える成果を出そうとするきっかけにもなるよ。
Reasonとしてよくあるのは、全社の経営目標やお客様のニーズだと思います。また、大企業の場合だと他部署のニーズということもあるでしょう。
例えばKが所属していた大企業の間接部門の場合を考えても、自分の仕事が誰のためになっているのかが見えにくいことがよくあります。新人にとってそのことは非常に苦痛で、退職を決める理由になることもあります。
そのため、上司としてはReasonを口頭で伝えることに加えて、お客様や他部署に直接会い、部下の仕事が誰の役に立っていて、上司の指示がどういった背景で出されているのかを理解させることで、部下のやりがいも向上させることができます。
④ Range(範囲)
最後はRangeです。
What+Way+Reasonの指導によって、自分で工夫しながら業務を進めることができるようになってくると、部下はうずうずし始めているはずです。「自分の考え方で自由にやってみたい!」と。
そこで必要になってくるのがRange(範囲)です。
Rangeとは、目的を達成するために「どの程度でなら自分の裁量で行動していいかという範囲のこと」です。例えば、「経費が◯円の範囲であれば自由に行動していいよ。それを超える場合は事前に相談して。」「自分なりのやり方で営業を進めてみて。その代わり、今月末までに〇〇が達成できなかったら報告して。」など、制限の範囲内であれば自由に行動していいことを伝えます。
ここまで来れば、Reasonで仕事の背景を伝え、Rangeを設定しさえすれば、部下が自分で考えて自分で行動を起こすようになっています。
また、Rangeを設定することには「制限を取り入れることで発想がしやすくなる」という効果もあります。制限なく「完全に自由にやっていい」と言われると逆にどう動いていいか分からなくなってしまうことも多いものです。一定のマイルストンや制限を取り入れることで、具体的な行動が考えやすくなります。
補足:一人ひとりをよく見ること
ここまで読み進めて下さってありがとうございます。最後に一つだけ。
What(何を)、Way(どうやって)Reason(背景)、Range(範囲)
どの指示を出すにしても必要なのが、部下一人ひとりをよく見ること です。部下は一人ひとり成長のスピードも違えばモチベーションの源も違います。
マネジメントに一律の方法論はありません。
部下一人ひとりをよく見て、理解し、一人ひとりにあった指導をすること。それこそがマネジメントの仕事だと思います。
まとめ
今回は、マネジメントの考え方である「2W2R」について解説しました。
上司の考えていることに単純に興味がある人も、今後管理職や先輩社員になるにあたってマネジメントの基礎w学びたいと思った方も、今回お伝えした内容を参考にしていただければと思います。
マネジメントの型を理解することで、部下指導・育成の質が上がってくるよ。日々のマネジメントの中で2W2Rを意識してみてね。
以上、K でした!
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